アパート・マンション運用
相続をした不動産の運用
アパート・マンションを相続されて初めて不動産運用をされる方も多いと思います。ここでは不動産運用の基礎的な部分をごご説明させて頂きます。
まず相続した物件を調べる事からがスタートになります。
稼働率
- 今までの稼働率の推移
・季節的な影響はあるか
・平均的な稼働率はどの程度か - 競合物件の稼働率の推移
・他の物件と比較することによる保有物件の優劣を判断
・競合と比較した際の対抗措置はあるか(賃料が安い、更新料がない等)
空室の状況
- 長期的に空室が放置されていないか
・空室による匂い等の発生の有無
・案内による埃等の汚れの有無
・水回りの水垢等の汚れの有無
・スリッパ、案内用の電灯を設置
・現地に図面、申込書、メジャーを設置
募集条件の決め方
- 空室対策を管理会社、賃貸会社と打ち合わせ
・定期的に市場ヒアリングの有無
・業者の提案等の有無
・内装等の変更
原状回復の費用
管理状況
- 共有部、駐輪場、ゴミ置場
・エントランスにチラシがちらかっていないか
・共用部に物が置いていないか
・駐輪場に使用されていない自転車はないか
・ゴミ置き場は清潔に保たれているか
・エレベータ内の匂い等はないか - 光熱費の料金
・電気料金、水道料金はどの程度かかっているか
設備の劣化状況
- 修繕履歴の確認
・短期、長期的な修繕計画を立てていたか
・現状で修繕が必要な個所はないか - 退去したお部屋の原状回復費用にかかる費用
・工事を依頼している業者の把握
・どの様な工事を依頼していたか
・顧客の層を想定して内装を依頼する様に変更
現在の不動産市場を考える
借主の物件検索動向
- インターネット
・どんな検索サイトで物件を探しているか
・しっかりと募集がされているか
どんな物件をさがしているか
- 賃料
・相続した物件の賃料を考えてどの層に対しての賃貸物件か考える - 場所
・駅からの距離、近隣の設備、買い物の利便性 - 設備
・好まれる設備ベスト3 バストイレ別、浴室乾燥、オートロック - 築年数
・15年以内が圧倒的に多い、レトロな物件等が気に入られる場合があるが、相応の内装が施されている。 - 敷金、礼金
現状のマーケットでは礼金0ヶ月が非常に多くなっている。
ブランドマンションでも礼金0ヶ月で募集がされている。
不動産にかかる経費
税金等を除く不動産に係る経費は概ね下記の一覧になります。
項目 | 詳細 | 金額の目安 |
---|---|---|
管理費 | 管理会社に支払う費用 | 賃料収入の10%~15% |
広告料 | 賃貸会社に支払う募集料 | 賃料の1ヶ月 |
修繕費 | 建物全体の修繕費 | 個別事例による |
原状回復費 | 退去後の居室の修繕費 | 賃料の1~2ヶ月 |
保険料 | 建物の火災、地震保険 | 個別事例による |
水道光熱費 | 共用部の電気、水道料金 | 個別事例による |
鍵交換代 | 居室の鍵交換の費用 | 1~3万円 |
保証料 | 入居時に保証会社を利用する場合の費用 | 賃料の0.5~1ヶ月 |
植栽費 | 植栽の手入れにかかる費用 | 個別事例による |
法務費用 | 滞納対処(少額訴訟、内容証明、支払督促等) | 個別事例による |
運用の改善方法
①管理会社の変更
相続した不動産の収益が明らかに管理会社が原因で低下している場合は早めの変更をが重要です。(旧態依然のままの不動産管理会社は非常に多いです。)
※管理会社変更の際の注意点
書類の引継、テナントへの通知(賃料口座変更、管理会社変更)
鍵の引渡し等を必ず次の管理会社に引き継いで頂く。
②税務パートナー
不動産を保有すると、不動産所得に対して税金がかかります。こうした税務に泰祖yするために税理士を含む税務パートナーが必要になります。(物件の規模が小さければ個人でも対応は可能です)
③費用効率を考える
大家業を昔ながらの方法で行っていた被相続人の方が非常に多いのですが、管理費、修繕費、原状回復費など費用効率を考えずに運用していた場合があります。相続後はまっさきに収支を確認して頂き、費用効率を考慮する事が非常に重要です。